4WDと2WDとは?仕組みをまずは簡単にご説明
車にはいろんな駆動方式が存在します。
今回ご説明する4WDと2WD、聞いたことはあるけど実際には何が違うのかよくわからない!という方もおられると思いますので、ここで簡単に説明しておきます。
まず4WDですが、こちらは車のタイヤ4つに駆動力を与える仕組みの事です。
一方2WDは車のタイヤの2つ(前輪か後輪のどちらか)に駆動力を与える仕組みのことです。
これは基本的に車の購入時に決めるもので、後から2WDを4WDに!とか逆に4WDを2WDに!という変更は基本できません。
2WDには前輪駆動のFFと呼ばれるものと、後輪駆動のFRと呼ばれるものの2種類が存在します。
4WDにも普段はFFで走り、もう片方のタイヤのスリップなどを検知すると4WDに切り替わるオンデマンド方式というものと、常に4つのタイヤに駆動力を与えて走るフルタイム4WDと呼ばれる方式、手元のスイッチで2WDと4WDを切り替える方式のものなどが存在します。
4WDになぜこれだけの種類があるのかというと、やはり燃費との兼ね合いではないかと思います。
常に4つのタイヤに駆動力を与えながら走行すると、どうしても燃費が悪くなります。
ですので、普段必要のないところでは2WDとして走る様になっている車が増えてきています。
今回ご説明する雪道などでの走行においてはどのタイプでも4WDとして走行することになりますので、これから先は種類に関わらず4WDとして説明していきます。
雪道は2WDより4WDの方が有利というのは本当なのか?
結論からいうと、これは2WDよりも4WDの方が雪道や悪路と呼ばれる路面コンディション下では有利と言えます。
しかし、どんな状況においても有利かというと必ずしもそうではない場合もあります。
一般的に4WD車が有利と言われている要因は、発進時と登りこう配の走行時です。
こちらは2WDと比べて明らかに違いが出ます。
みなさんも雪道などで走行中に信号待ちや渋滞などで停車してから発信する際にスリップをしたりして車が前に進まなかったり、進まなくなりそうになった経験がある方もおられるかもしれません。
また雪道の登り坂などでは上り切れるかヒヤヒヤされた経験がある方もおられるかもしれません。
JAF(日本自動車連盟)の雪道での2WDと4WD車の検証では共にスタッドレスタイヤを装着して状態で、登坂実験を行った結果では9%の勾配では両方とも上り切れましたが、20%の勾配になると2WD車は途中で登れなくなりました。
4WD車の方は20%の勾配でもなんなく上り切ることができたという点からみても、4WD車の方が2WD車に比べて雪道の登り坂や発進時などには有利だと言えます。
但し、停止については2WDと4WD車では大きな違いはありません。
よく停止距離についても2WDより4WDの方が圧倒的に短く停止できる!と言われたりすることがありますが、実はほとんど変わりありません。
というか下り坂での急ブレーキの実験では逆に2WDより4WDの方が停止距離が長かったということもあるんです。
原因は単純に車の重さです。同じ車種なら2WDと4WDでは4WDの方が重くなります。
理由は4WDという複雑なシステムを搭載しないといけないからです。
これにより軽さによって停止距離が明確になる下り坂での急ブレーキ実験では2WDの方が軽さを生かしてより短い停止距離で止まれたりします。
ですので、4WD車だから大丈夫!と過信しすぎるのは禁物です。
基本はやはり安全運転が一番だと思います。
2WDで雪道を走行するのは難しいのか?
では2WD車で雪道などを走行するのは無謀な行為となるのでしょうか?こちらも結論からいうと決してそんなことはありません。
但し、あくまで通常の雪道なら!という条件付きです。
豪雪地帯や山頂付近などへ出かけるのは無謀と言えると私は思います。
行ける範囲をきちんと把握した上でなら雪道を2WD車で走るのは無謀ではありません。
ですが、これには条件があります。
スタッドレスタイヤを駆動輪だけではなく、4つのタイヤ全てに装着するということです。
これにより、通常の雪道であれば問題なく走行することが可能です。
では2WDでも2種類あるとお伝えしたFF(前輪駆動)とFR(後輪駆動)ではどちらが雪道に有利なのでしょうか?答えはFF(前輪駆動)ということになります。
理由は、トラクションがかけやすいからということです。
トラクションとは簡単にいうと、車が前に進もうとする力のことです。
雪道ではいかにタイヤを路面に接地させて駆動力を伝えることが出来るかが重要になるのですが、この場合に意味を持つのが物理的な理由で重量になります。
つまり駆動するタイヤにどの程度の重量が載っているかで駆動力が変わってきます。
ほとんどのクルマはボンネットにエンジンを積んでいます。
しかもFF車の場合にはエンジンに加えてトランスミッションもボンネット付近にあり、前輪にはかなりの重量が載ってきます。
その分トラクションを稼ぐことができているというわけなんです。
その逆でFRは後輪駆動ですので、重いエンジンなどが駆動するリアではなく前方にあるので、リアのタイヤにはそれほど重さがかかりません。
この違いからFFとFRではFFの方が分があるということになるんです。
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