事故防止に重要な役割を果たすシステム
タイトルにも書きましたが、今回はブレーキオーバーライドシステムについての記事です。
ずいぶん前の話ですが、アメリカでブレーキを踏んだが車が止まらなかった!という様な事故があり、原因はアクセルがフロアマットにひっかかり、戻らなかった為に止まれなかったというものでした。
当時の話ではフロアマットは純正ではなく、オーナーが自身で用意したものだったそうです。
ですが、今回の話はマットが純正であったかどうでなかったではなく、ブレーキが利かなかったという事実なんです。
2010年以前の日本車には日産自動車を除いてほとんどの車にこれと同じ事故が起きるリスクが潜んでいたんですが、現在の日本車にはその心配がない様に設計されています。
ですが、一部の自動車評論家さんの中には現行のプリウスでも未だにこの事象が発生するかの様な記事を書かれている方もおられる様で、誤解をされている方が多くおられるのではないかという心配な気持ちからこの記事を書こうと思いました。
ブレーキオーバーライドシステムとは?
ブレーキオーバーライドシステムとは?ということなんですが、これはわかりやすくいうと、【自動車が走行中の動作においてブレーキが最優先されますよ!】というシステムのことです。
例えば上記の説明の様に何らかの原因により、踏み込んだアクセルペダルが戻らなくなったという場合でも、戻らない状態でブレーキを踏めば、アクセルペダルの信号はキャンセルされてブレーキが作動する!というものです。
これは車が走行する上で、作動しないと一番危険なものは何か?を考えるとブレーキが利かなくなる!という答えになるからです。
まず第一に止まる!止める!が肝心なんです。
先ほども述べましたが、2010年以前の日本車にはまだこのシステムが搭載されていない車がほとんどでしたが、現在は逆になっておりほとんどの車で採用されており、プリウスをはじめとするハイブリッドカーや電気自動車には当然採用されております。
また近年話題になっている高齢者による事故の際にブレーキとアクセルを踏み間違えたという事故などで、パニックを起こして両方のペダルを踏んだとしたら高齢者は踏み込む力が不足してブレーキオーバーライドが働かない!という説明を見かけたこともありますが、これも私はありえないと思っています。
プリウスで説明すると、アクセルもブレーキもバイワイヤーシステムというワイヤーではなく電気信号で作動する様になっており、現在のブレーキペダルはブレーキアクチュエーターというブレーキの踏み加減を検知して油圧ポンプを作動させるモーターへ信号を送る為の疑似的な部品を踏んでいるだけなんです。
ですのでブレーキペダルの踏み込み量が少ないからといってブレーキオーバーライドが働かない!というのであれば、それはブレーキペダルを踏んでいない!ということになります。
この様にブレーキオーバーライドシステムは普段の走行では作動することはありませんが、もしもの時の安全を担保する重要なシステムなんです。
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