ハイブリッドバッテリーについてあらためて解説します

ハイブリッドバッテリーについてあらためて解説します プリウス50系の記事
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今回はプリウスのハイブリッドバッテリー(駆動用バッテリー)について詳しく解説していきたいと思います。

ハイブリッドバッテリーってどんな部品?

名前は聞いたことはあるけれど、実際にどんな部品なのかをご覧になった方はあまり多くないかもしれません。
まずはハイブリッドバッテリーとはいったいどんな部品なのかをご紹介します。

ハイブリッドバッテリー

こちらがハイブリッドバッテリーです。形やサイズはグレード・型式によって若干違いはありますが、基本的には上記の様な形状をしています。
画像はリチウムイオンバッテリーですが、バッテリーには現在、ニッケル水素バッテリーと、リチウムイオンバッテリーの2種類が存在します。
設置されている場所も、40系(プリウスα)の7人乗り以外(7人乗りはセンターコンソール下のあたりに縦置きに配置)は後部座席下に格納されています。

ハイブリッドバッテリーの重量は?

ハイブリッドバッテリーの重さはどれくらいなのでしょうか?一人で持てるの?と思われる方もおられると思いますので、重量をご紹介したいと思います。
今回は30系プリウスと50系プリウスの重量でお伝えします。
まず30系の重量41.3Kg50系の重量40.3㎏
リチウムイオンバッテリーの場合は24.5㎏と圧倒的な軽さを誇っています。
10系から少しづつ軽量化とコンパクト化が進んでいますが、現状でも約40㎏。一人で持てるかどうか?微妙な重量ですね。
どちらにせよ、燃費の追求の為に軽量化を進めるプリウスにとってはかなり重量のある部品ということになます。
ですが、ハイブリッドシステムを支える主要部品ですので、単に軽くすればいいという訳ではなく、性能を向上させながら軽量化していく!プリウス発売当初から始まっている軽量化と高性能化との開発の苦悩が今なお続いているのが今回ご紹介するハイブリッドバッテリーなんです。

ハイブリッドバッテリーの構造

ハイブリッドバッテリーの構造とはどうなっているのでしょう?

実はこんな感じになっているんです。内部は小さなセルと呼ばれる乾電池みたいなものが集まって形成されています。
ニッケル水素バッテリーとリチウムイオンバッテリーでセルの数が違い、リチウムイオンでは56個、ニッケル水素では168個のセルが使われています。
つまり一つのセルの性能が後発のリチウムイオンの方が高性能である為にセルの数が少なく軽量化できるということなんですね。
ニッケル水素バッテリーカットモデル リチウムイオンバッテリーカットモデル

なぜ2種類のバッテリーが存在するの?

ではなぜ2種類のバッテリーが存在するのか?これは技術革新の途上の結果!ということもあるのですが、プリウス50系の開発責任者の豊島さんのコメントでは『プリウスにはハイブリッド技術を底上げする役目がある。そのことを考えると、数多くのハイブリッド車に用いられているニッケル水素電池のレベルアップを目指した開発が必要だ。一方、プリウスαで採用したリチウムイオン電池をより手の内化する必要もあった。だから両方の駆動用バッテリーを開発した。』とおっしゃっています。
つまり、最終的にはリチウムイオンバッテリーに変わっていくのだろうけども、今すぐに変わるわけではなく、長年のノウハウを持つニッケル水素バッテリーにも当面はまだまだ役割がある!といっておられるではないかと思います。
どういうことかというと、まずコスト面では現状リチウムイオンよりもニッケル水素の方が安価だということです。
つまり安価なハイブリッド車を作りたい時には現状では数十万も高いリチウムイオンバッテリーではなく、ニッケル水素バッテリーが必要になるんです。
加えてバッテリーの特性によってもリチウムとにける水素で違いがあるそうで、私の乗るE-Fourというシステムには、グレードに関係なくニッケル水素バッテリーが採用されています。
ただでさえ重いE-Fourシステムを搭載しているのだから、搭載するバッテリーは高出力で軽量なリチウムイオンが優れている!と思うのですが、あえて重量の思いニッケル水素を搭載しています。
理由は低温化での性能がリチウムイオンよりもニッケル水素の方が優れているから!だそうです。
いいところだらけと思われたリチウムイオンにも一物の不安はあるということでまだまだ改良の余地が多くのこされているということなのかもしれませんし、ニッケル水素と同等のコストパフォーマンスを発揮できるまでは1本化という訳にはいかない様ですね。
この様な様々な観点から現在はリチウムイオンとにける水素の2種類のバッテリーが混在しているんです。
ここ数年の内にはほとんどがリチウムイオンに変わっていくと思われますが、それまでは2種類の体制がつづくと思われます。

ハイブリッドバッテリーの寿命とは?交換するならその費用は?

ハイブリッドバッテリーは多くのセルと呼ばれる乾電池の様なものが集まってできていると説明しましたが、いつまでも持つわけではありません。
設計段階から対応できる性能は設定されています。
プリウスの話をする上で、他の車との違いが出ると必ずと言っていい程でるのがこのハイブリッドバッテリーの問題。燃費はいいがハイブリッドバッテリーを交換すれば非常に高価で元を取れない!長く乗れば、結局ガソリン車よりも高くつく!と言われてきました。
確かに20系までのハイブリッドバッテリーは10万キロを交換の目安として設定されており、交換費用も初代では40~70万円程度かかったそうで、交換して乗り続けるというのは確かに悩んでしまうほど高価だったんです。
しかし20系以降はハイブリッドカーの普及などに伴い17~20万円程で交換が可能になりました。
加えて想定される耐久距離も20万キロと大きく伸びた結果、20万キロ以内にハイブリッドバッテリーを交換する事態は極めて低くなっており、一般的なガソリン車同様に他のパーツの故障を心配する方が多くなり、ハイブリッドバッテリーに対する心配はなくなりつつあります。
但し、先ほども少し書きましたが、プリウスαと50系プリウスの一部グレードに搭載されているリチウムイオンバッテリーは現在でも40万円前後の費用がかかるそうで、交換となるとやはりためらってしまいそうになる金額です。
交換してでも乗り続けたい!と思われる方や中古車を購入されて長く乗り続けたい!と思われる方はニッケル水素バッテリー搭載車の方が後々のメンテの時は負担が少ないかもしれません。
最近ではこのハイブリッドバッテリーの保証期間も5年もしくは10万キロのどちらか早い方までの保証がついていますので、もしもその範囲内でのトラブルであれば無償で交換してもらえますが、近年のハイブリッドバッテリーの性能からいって、この保証期間内でのトラブルになる確率は極めて低いと思われます。

この記事のまとめ

まとめ▼

いかがだったでしょうか?今回はハイブリッドバッテリーについての説明でした。
プリウスにとってこのハイブリッドバッテリーを搭載しているというのが一般的なガソリン車と比べて大きく違うところなんですが、最近ではハイブリッド車の普及により、ハイブリッドバッテリーを搭載した車も珍しくはなくなってきました。
そんな中にあっても今なお燃費でトップクラスを誇るプリウスのハイブリッドカーとしての性能は他のハイブリッドカーとは一線を画しています。
その最たるものがトヨタハイブリッドシステム(THS-Ⅱ)と呼ばれるシステムで、全ての電圧などを含めて統合的にシステムが細かく監視をし設定を行っています。
このTHS-Ⅱについてはいずれ違う記事でお伝えしたいと思いますが、その中核を担っているのが今回ご紹介したハイブリッドバッテリーなんです。
記事の中でニッケル水素バッテリーからリチウムイオンへと進化しつつあるとお伝えしましたが、実はトヨタはその先の新たなバッテリーシステムをパナソニックと共同で開発を進めています。
それは全固体電池と呼ばれるもので、電気自動車などの普及に欠かせないものとして開発が急がれています。
この全個体型のバッテリーが普及する頃にはおそらくほとんどの車が電気で走っているかもしれません。
技術の進化は日進月歩。私の目の黒いうちにまさか電気で走る車は市販されるとは、私が免許を取ったころには想像もできませんでした。
だってプリウスすらもなかった時代ですから・・・。

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