アトキンソンサイクルエンジンとは?

アトキンソンサイクルエンジンとは?プリウス50系の記事
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はじめに

今回のテーマはアトキンソンサイクルエンジンとは?というテーマです。
いきなり何だ?と思われるかもしれませんが、プリウスに搭載されているエンジンなんです。
エンジンの型式は2ZRFXEという名前で、プリウス30系と50系に搭載されています。
同じ型式なので全く同じと思われる方もおられるかもしれませんが、50系のエンジンには改良が加えられており、熱効率が30系の38%から40%へアップしています。
それなら別の型式にすればよかったのでは?と私も思うのですが、そのあたりはトヨタさんに聞いてみないとわかりませんが、この熱効率40%というのは世界でもトップクラスの熱効率で、その効率の良さの秘密がアトキンソンサイクルエンジンということなんです。
ハイブリッド車はエンジンとモーターの組み合わせをコントロールするトヨタTHSⅡなどが気になりますが、実はエンジンにもすごい工夫と技術が詰め込まれているんです。
今回はそのエンジンについて解説していきたいと思います。

まずはエンジンについての基本的なことをざっくりとご説明!

4サイクルエンジン図解

 

まずは上記動画をご覧頂きたい。
一般的にガソリンエンジン車に多く採用されている4サイクルエンジンを例にとってご紹介します。
4サイクルという名前の通リ、1つ動作を4つの工程で行っているということで、その工程は・・・

  1. 吸気
  2. 圧縮
  3. 燃焼
  4. 排気

という工程を繰り返すことで得られる運動エネルギーでクランクを動かして駆動力を得ます。
軽自動車ならこの工程のシリンダーが3つで3気筒、普通車の場合には4~6つ、大型高級車やスポーツカーなどでは8~12個のシリンダーが使われています。
更にそのシリンダーの配置が縦置きからVの形状に配置したV型、水平に交互に設置してボクサーが殴り合っている様に見えることからボクサー型(スバル)と呼ばれるものまで様々なタイプが存在します。
長らく自動車のエンジンとして活躍してきた方式ですが、近年のエコカーブームにより、より熱効率の高いエンジンが要求される様になり、徐々に別のエンジン形式に変わりつつあります。
その中の一つに今回ご紹介するアトキンソンサイクルエンジンがあるということです。
主にホンダフィットやトヨタプリウスなど特に燃費を重視するハイブリッドカーに搭載されています。

 アトキンソンサイクルエンジンとはどんなエンジン?

Atkinson Cycle Engine
James Atkinson が1886年に特許申請をした明細書からの図面を元にして、その動作が分かるスケルトンでアニメーションを作った。 作図はフリーのCinderella1.4を使った。
先進のハイブリッドカーに搭載されているエンジンなので、先ほどご紹介した4サイクルエンジンの後に開発された新型のエンジン!と思われている方も多いと思いますが、実はアトキンソンサイクルエンジンの理論は1882年にジェームス・アトキンソンという人物によって開発されたものなんです。
プリウスの初代が発表されたのは1997年ですからなんとその1世紀以上も前の話なんです。
このアトキンソンサイクルエンジンは従来のレシプロエンジンのオットーサイクル方式の熱効率よりも飛躍的に効率がよく、まさにエコカーにうってつけのエンジンだったんです。
ではそんなに熱効率がいいのならレシプロではなく、ほとんどの車に採用すればよかったのでは?と思われるかもしれませんが、実は上記の動画をご覧頂いてもお解り頂けると思いますが、非常に複雑な構造をしており、加えて加減速によって回転数が変化するという車用のエンジンとしては不向きな構造で実用化は難しく、自動車用のエンジンとしては採用されてきませんでした。
では21世紀になってようやく実用化できる様になったのか?と思われるかもしれませんが、実は相変わらずアトキンソンサイクルエンジンの実用化は容易ではないんです。
現実にフィットやプリウスで採用されているのは?性格にいうとアトキンソンサイクルの理論を応用して作られたエンジン!というのが正解かもしれません。

ミラーサイクルエンジン

Atkinson Cycle Engine
The Atkinson Cycle is a method of internal combustion first proposed by English engineer, James Atkinson, in 1882. The Atkinson Cycle uses a different thermo...
現在においてもアトキンソンさんが開発されたままのエンジンを自動車用エンジンにするのは無理だと言われており、その意見は世界中のメーカーで共通の認識でした。
理由は複雑なクランクシャフトを持った構造、重量、スペース、耐久性など問題点が多すぎる為です。
ですが、熱効率を高める理論としては素晴らしく、ならばこの理論を別の方法で再現すれば!ということで複雑なクランクシャフトの動きをバルブタイミングの調整などで、アトキンソン理論を再現することに成功したのがミラーサイクルエンジンと呼ばれるものです。
フィットやプリウスに搭載されているエンジンがアトキンソンサイクルと言われているのは、ミラーサイクルエンジン1993年にマツダがユーノスですでに搭載されて発売されていたんです。
その為、マツダ以外のメーカーはマツダと区別する為にアトキンソンサイクルという名称にしたそうです。
ミラーサイクルもアトキンソンサイクルも、理論はアトキンソンさんの理論に基づいたものなので、どちらの名称を使っても特に問題はないそうです。
そうして採用され始めたミラーサイクルエンジンですが、近年のホンダやトヨタに搭載されているものはさらなる進化を遂げています。

最新のアトキンソンサイクルエンジンとは?

今までのレシプロエンジン(オットーサイクル)ではピストンが一番下にきた時点で吸気用場バルブを閉じて圧縮していました。アトキンソン(ミラーサイクル)では吸気バルブの閉じるタイミングをピストンが一番下にくる前に早めに閉じるか、一番下にきて上がり始めた時の遅れ気味に閉じるかのどちらかの方法で、アトキンソンさんの理論を実現しています。ホンダとトヨタはどちらも後者の遅れ気味に閉じる方法を採用しています。
この方法で少ない容量で多くのエネルギーを回収できる様になるのですが、欠点もあるんです。
それはパワー不足
熱効率は高いのですが、パワー面ではオットーサイクルに比べて劣ります。
ハイブリッドに搭載された理由はこの物足りないパワーをモーターで補える!ということで欠点を回避できるからなんですね。
最初はそんな考えだったアトキンソンサイクルエンジンも3代目フィットや4代目のプリウスに搭載される頃にはホンダはVTECトヨタはVVT-iという可変バルブタイミングを高度に制御することで、アトキンソンサイクルとオットーサイクルの2つの方式を疑似的に作り出すことで、様々な状況に対応するエンジンへと進化しています。

最後に(まとめ)

まとめ▼

いかがだったでしょうか?現代のハイブリッド車に搭載されているエンジンは、今から100年以上も前にアトキンソンさんによって発案されたアトキンソンサイクル理論を現代の自動車メーカーが最新の技術と手法を組み合わせることで、その理論を実現させたものだったんですね。しかも現在ではそのエンジンに更に改良が加えられ、圧倒的な熱効率に可変バルブによって熱効率とパワーを両立させたものになっています。EV化の流れの中で、このアトキンソンサイクルエンジンにも今後ますます注目が集まってくるのではないでしょうか?

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