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PRIUSという車の誕生の歴史!
PRIUSとはラテン語で『先駆け』という意味も持つ言葉で、1994年2月1日にG21(Gは地球を意味するGlobeの頭文字、21は21世紀)という名称でスタートしたプロジェクト。
内山田さんをトップに10人のメンバーでスタートし、『21世紀のクルマとは何か』『小型で室内が広く、燃費のいいクルマ』などがコンセプトとなり開発が進むことになる。
そして1995年の東京モーターショーで初めてプリウスのコンセプトカーが初披露。
その2年後に『21世紀に間に合いました』という有名なキャッチフレーズで初代プリウスが誕生。
以降20系・30系・40系・50系とモデルチェンジを果たし、現在は初代から数えると4代目となる50系が最新モデルとして販売されている。
尚、4代目なのに50系の意味は40系というのが、30系から派生したPRIUSαという車種用の型番になるため、フルモデルとしては50系で4代目となる。
初代PRIUS(10系)
初代プリウスは当時のガソリン車と同等の走行性能を発揮しつつ、燃費を約2倍、CO2排出量は半分という驚くべき性能を引っ提げてデビューした車です。
まさに21世紀への先駆けとなるべく誕生したプリウスの性能を実現できたのはトヨタが開発した『トヨタハイブリッドシステム』THSです。
エンジンとモーターの組み合わせで発売当初の発表で28キロ、以降のマイナーチェンジ後で31キロという燃費を実現。
その圧倒的な燃費性能とハイブリッドカーとしての性能で、たちまち話題になりました。
トヨタハイブリッドシステム(THS)
初代プリウスで初採用された新駆動システム『トヨタハイブリッドシステム』(THS)。
ハイブリッドシステムは、「シリーズ方式」「パラレル方式(マイルドハイブリッド)」「シリーズ・パラレル方式」という3つに分類されますが、THSはもっとも高度な制御が必要な「シリーズ・パラレル方式」を採用。
「スプリットハイブリッド」「ストロングハイブリッド」とも呼ばれ、エンジンとモーターの切り替えなどの自由度が高いことが特徴で、現在に至るまでの基本となっているシステムです。
プリウスの為に考え抜かれたボディー
初代プリウスは、コンピューター解析によって生まれた空力ボディ、空気抵抗を減らす為に風をスムーズに流すボディ形状、床下のフラット化などを徹底して行った結果、クルマの空気抵抗を表すCd値0.30を実現。
また、高張力鋼板の採用などによって高剛性かつ軽量なボディも実現し、当時としては他の車を圧倒する性能でした。
電動パワーステアリング
一般的な油圧式パワーステアリングではなく、電動パワーステアリングを採用することで、油圧式よりも約3%の低燃費化を実現。
さらに転がり抵抗の少ない低燃費タイヤ、超軽量設計のアルミホイールの採用し、燃費向上が計られました。
但し、油圧式に比べて違和感はありました。
電動というのは自然な動きにさせる制御が難しい様です。
初代PRIUS(10系)の諸元データ
全長 | 4275mm |
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全幅 | 1695mm |
全高 | 1490mm |
車両重量 | 1240kg |
ホイールベース | 2550mm |
エンジン形式 | 水冷直列4気筒DOHC |
総排気量 | 1496cc |
最高出力 | 99/73/(PS/kW/) |
備考 | エンジン出力:58ps/4000min-1,モーター出力:30kw/940-2000min-1
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初代PRIUSの総評(まとめ)
2代目PRIUS(20系)
2003年に初代プリウスからバトンタッチして2代目プリウスが誕生。
現在のプリウスのベースとなり、現在に至るまでの進化を重ねてきたベースとなる車はこの20系だと思います。
こちらは今でもかなりの台数を見かけますし、タクシーの多い京都市内ではこの20系も現役で走り回ってます。
進化したハイブリッドシステムTHS-Ⅱ
現在、トヨタで使用されているハイブリッドシステム「THS-II」を初めて搭載したのがこの20系プリウス。
可変電圧システムによる高電圧化のほか、制御系の進化などにより、モーター出力を約1.5倍に高め出力アップを図ったエンジンとの組み合わせにより、出力&トルクを大幅に向上。
2.0Lエンジン搭載車と同等以上の発進・追い越し加速性能に加え、35.5km/Lという燃費性能を可能にしています。
世界で初めてEVモードを搭載
2キロくらいまでという極めて少ない走行可能距離という条件付きですが、電気のみで走るEVモードというものを初めて搭載した車種です。
深夜や早朝に静かに走れると説明されていましたが、私はEVモードを使ったことがありません。
技術としてはすごいことですが、実用性を考えると使えるモードではないかな?と思います。
世界で初めて搭載されたS-VSC
ハイブリッドの制御技術を活用、車両安定性制御システムVSCとABS、電子制御ブレーキシステムECB、駆動力を制御するTRCに加え、電動パワーステアリングEPSの操舵アシストを協調制御することで発進時・操舵時・制動時と走行シーンを問わず安定性を高める「ステアリング協調車両安定性制御システムS-VSC」を搭載しております。
今では珍しくないシステムですが、当時としてはかなり進んだ技術で注目を浴びました。
インテリジェントパーキングアシスト
バックガイドモニターを利用して、縦列駐車や車庫入れをサポートするインテリジェントパーキングアシスト。
プリウス20系に世界で初めて搭載されました。
2代目PRIUS(20系)の諸元データ
全長 | 4445mm |
全幅 | 1725mm |
全高 | 1490mm |
室内寸法 | 長1890×幅1440×高1225mm |
車両重量 | 1260Kg |
車両型式 | DAA-NHW20 |
ホイールベース | 2700mm |
エンジン形式 | 1NZ-FXE 直列4気筒+モーター |
最大トルク | 11.7kg・m/4200rpm |
総排気量 | 1496cc |
最高出力 | 77PS[57kW]/5000rpm |
最大トルク | 11.7kgm[115Nm]/4200rpm |
最低地上高 | 145mm |
最小回転半径 | 5.1m |
タイヤサイズ | 前輪:185/65R15 後輪:185/65R15 |
備考 | 10モード/10・15モード35.5/リットル |
2代目PRIUSの総評(まとめ)
3代目PRIUS(30系・40系)
ボディサイズを拡大し、居住性を向上させて、ハイブリッドシステムなどの燃費性能にさらなる磨きをかけながら、リーズナブルな価格設定として登場した3代目プリウス。
エンジンは、2代目の1.5Lから1.8Lに拡大し、モーターの強化やTHS-IIの発展版となる「リダクション機能付THS-II」を搭載し、走行性能を向上。
トヨタ初となる電動式冷却水ポンプ、排気熱再循環式ヒーターシステムなどの採用により、燃費は38.0km/Lと驚異的な燃費を実現。
さらに走りの面でも2.4L車に匹敵する動力性能を実現。
走行シーンにあわせて3つの走行モードを新たに新設定するなど、2代目から大きな進化を遂げて誕生しました。
更にこの3代目には40系(プリウスα)という車種も追加され、共に爆発的なヒットとなりました。
90%以上を新規開発「リダクション機構付のTHSII」
エンジンやトランスアクスルの効率化、モーターやインバーターなどの小型・軽量・高効率化を図り、システム全体の90%以上を新規開発したハイブリッドユニット「リダクション機構付のTHS-II」。
エンジンは、先代の1.5Lガソリンエンジンから新開発の1.8Lガソリンエンジンへ変更、高速燃費を向上させた。
排気量アップにより、出力・トルクともに余裕が生まれ、モーターも高出力化が図られ、1.8Lガソリンエンジン+モーターの組み合わせて走ることで、2.4L車に匹敵する動力性能を獲得しています。
トライアングルモノフォルム
2代目プリウスから始まったトライアングルシルエットのボディー形状。
その形状を更に進化させて、空気抵抗値を2代目の0.26から0.25へと向上させることに成功。
ハイブリッドバッテリーの小型化などにより、居住性を向上させることにも成功し、多くのユーザーからの指示を集めました。
3代目から搭載された3つの走行モード
3代目から『エコモード』『ノーマルモード』『パワーモード』の3つのモードが選択可能になりました。
加えてEVのみで走ることが出来るEVモードも搭載されており、これを含めると4種類の走行モードということになります。
自身のライフスタイルとエコへの関心度、走りへの欲求から好みのモードを選択することで、より快適に走行することが可能となりました。
新たに追加されたプリウスα
30系の派生型として新たにプリウスαという名称で40系が加えられました。
αというだけあって、室内の空間を30系よりも広く、乗車定員も増やしてハッチバックからミニバンスタイルにした様なデザインのモデルです。
ミニバン人気も手伝って大人気となった車種で、5人乗りと7人乗りの設定あり、5人乗りにはニッケル水素バッテリー、7人乗りにはリチウムイオンバッテリーと多少の違いはありますが、これは単純にバッテリーを搭載する位置を5人乗りの位置から変更する為に小型のリチウムイオンを使用したということで、7人乗りはその分少し価格が高かったんです。
30系と全く同じという訳ではありませんが、派生型ですのでシステム構成などに関しては、大きく違うところはありません。
但し、内装のデザインは30系とは全然違うデザインで、外観と内装を見ていると、30系の派生の様には思えません。
3代目PRIUS(30系)の諸元データ
主要諸元 | |
車両型式 | DAA-ZVW30 |
駆動方式 | FF・前輪駆動(FWD,2WD) CVT(無段変速機・連続可変T/M) |
定員 | 5人 |
全長 | 4460mm |
全幅 | 1745mm |
全高 | 1490mm |
室内長 | 1905mm |
室内幅 | 1470mm |
室内高 | 1225mm |
最小回転半径 | 5.2m |
最低地上高 | 140mm |
タイヤ | 前輪:195/65R15 後輪:195/65R15 |
ブレーキ | 前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク |
車両重量 | 1350kg |
エンジン諸元 | |
エンジン型式 | 2ZR-FXE |
排気量 | 1797cc |
圧縮比 | 13.0 |
最高出力 | 99PS[73kW]/5200rpm |
システム合計出力(エンジン+モーター) | 136PS |
最大トルク | 14.5kgm[142Nm]/4000rpm |
3代目プリウスの総評(まとめ)
4代目PRIUS(50系)
進化はついに別の車になった?と思わせるまでのレベルへ到達!
もはや同じなのはPRIUSという名前だけ!そんな超進化を遂げた4代目プリウスは、40系ではなくて50系!理由はプリウスαの登場にあります。
まずはデザインに驚いた方も多かったと思いますが、順に解説していきましょう。
トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)
50系のモデルチェンジは2つのミッションがありました。
- プリウスの4代目としてのフルモデルチェンジとしてのミッション。
- TNGAの第一号車としてのミッション
この2つのミッションを同時に行うことで今回の4代目は今までの正常進化以上の進化を遂げました。
特に大きかったのがやはりTNGAだといえるでしょう。
TNGAというとよく次世代プラットフォームの開発!という方がおられますが、実はもっと大きな意味を持ったプロジェクトなんです!『もっといい車を作ろうよ』という合言葉の基に今後のトヨタ車のものづくりを変えていこう!という壮大なプロジェクトなんです。
その意気込みたるや凄まじく、冒頭申し上げたもはや別の車になった!と言われるほどの技術と思いが込められており、10m走らせれば違いがわかる!と豊田章夫社長が言われるほどです。
もはや当たり前と言われる燃費の良さに更なる磨きをかけて!
PRIUS=エコカー=低燃費というのはもはや誰もが知るところであり、珍しいフレーズでもなくなりました。
加えて30系の燃費も素晴らしく、もはやハイブリッドでの低燃費の限界に近いのでは?と思えるほどでした。
ですが、4代目プリウスはそんな状況の中で、更なる低燃費を実現!Eグレードで40.8キロ、その他のグレードでも37.2キロ、E-Fourで34.0キロ(前期型の旧燃費基準)を達成。
基本的なシステム構成は同じですが、共用している部品はほとんど!と言われるほど改良が加えられています。
燃費だけじゃない!今回は走りが楽しくなる車!
4代目プリウスの一番の売りは、TNGAによって作り出された走りの性能にあります。
30系までは評論家のレビューなどでは低燃費の部分しか評価されておらず、走りという面では論評すべき事柄はない!という感じでしたが、今回の4代目は走りの部分に高い評価がされています。
理由はTNGAによって誕生したプラットフォームにレーザー溶接の採用によって大幅に増加された溶接個所、ホットスタンプ材の採用箇所の拡大、リアサスペンションの変更、各部抵抗やロスの低減など、様々な部分の新設計によって生み出されています。
最初に名前以外は別の車!と言われる理由も実はここにあるんです。
充実の安全装備!トヨタセーフティセンスP
50系から搭載された(前期型は一部オプション採用)トヨタセーフティーセンスP。
車の周囲に装備された合計12個のクリアランスソナーとフロントのボンネット下のトヨタマークの裏に装備されたミリ波レーダー、フロントガラス上部中央付近に取り付けられた単眼カメラシステム。
これらの機能を駆使し、予防安全を充実させたのがトヨタセーフティーセンスP。
高齢ドライバーに限らず、安心・安全・ドライバーの負担軽減にもつながる非常に役立つシステムが4代目から新たに装備されました。
但しあくまでも予防安全です!万能ではありません!過信は禁物です。
https://www.youtube.com/watch?v=w1vhh4prjaM
4代目PRIUS(50系)諸元データ
車両型式・重量・性能 | |
---|---|
車両型式 | 2WD(前輪駆動)DAA-ZVW51 E-Four(電気式4輪駆動)DAA-ZVW55 |
車両重量 | 1665Kg (E-Four)1735Kg |
最小回転半径 | 5.4m |
燃費JC08モード (国土交通省審査値) |
37.2Km/L (E-Four)34.0Km/L Eグレード40.8Km/L |
主要燃費改善対策 | 可変バルブタイミング、アイドリングストップ装置、電動パワーステアリング、 ハイブリッドシステム、充電制御、電気式無段変速機 |
エンジン | |
型式 | 2ZR-FXE |
総排気量 | 1.797 |
種類 | 直列4気筒 |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
内径×行程 | 80.5×88.3 |
最高出力〈ネット〉 kW(PS)/r.p.m. | 72(98)/5,200 |
最大トルク〈ネット〉 N・m(kgf・m)/r.p.m. | 142(14.5)/3,600 |
燃料供給装置 | 電子制御式燃料噴射装置(EFI) |
燃料タンク容量 | 43ℓ |
フロントモーター | |
型式 | 1NM |
種類 | 交流同期電動機 |
最高出力 kW(PS) | 53(72) |
最大トルク N・m(kgf・m) | 163(16.6) |
リアモーター | |
型式 | [1MM] |
種類 | [交流誘導電動機] |
最高出力 kW(PS) | [5.3(7.2)] |
最大トルク N・m(kgf・m) | [55(5.6)] |
動力用主電池 | |
種類 | リチウムイオン電池[ニッケル水素電池] |
容量 Ah | 3.6[6.5] |
寸法・定員 | |
全長 mm | 4,575 |
全幅 mm | 1,760 |
全高 mm | 1,470[1,475] |
ホイールベース mm | 2,700 |
トレッドmm | フロント1,510 リヤ1,520 |
最低地上高mm | 130[135] |
室内mm | 長さ2,110 幅1,490 高さ1,195 |
乗車定員 | 5 |
走行装置・駆動方式 | |
サスペンション フロント/リヤ | ストラット式コイルスプリング(スタビライザー付)/ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング(スタビライザー付) |
ブレーキ フロント/リヤ | ベンチレーテッドディスク/ディスク |
作動方式 | 油圧・回生ブレーキ協調式 |
トランスミッション・変速比・減速比 | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 |
減速比 | 2.834[フロント:2.834/リヤ:10.487]
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4代目PRIUSの総評(まとめ)
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